2017.2.8 EC市場動向INFO楽天
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2017年1月26日、グランドプリンスホテル新高輪行われた
「楽天新春カンファレンス2017」に弊社各ディレクターが参加致しました。
参加した「楽天市場」出店店舗同士の交流の場や各種フォーラム等の勉強会にも参加。
また、参加された店舗様や担当ECCの方々との打ち合わせ等を行い、上期の戦略を楽天・店舗様・弊社の3社で共有し、
非常に有意義な時間を頂戴し、各所から情報収集を行いました。
当日は、PEZY Computingの齊藤元章社長が基調講演を行った他、三木谷浩史社長が講演を行いました。
三木谷社長は講演で、FCバルセロナとスポンサー契約について触れた後、
楽天市場での人工知能(AI)やドローン配送、ビッグデータ、さらには拡張現実(AR)、仮想現実(VR)の活用について説明。
楽天市場内でもこれらを開放していく方針で、具体的には、「広告開示」「ページ診断無料トライアル実施」
「店舗運営プラットフォーム(Rカルテ)」について言及。
AI×ネットショッピングの活用例として、
「これまでの今までのように検索経由ではなく、音声によるAIとの対話で買い物をする日が間もなくくる」とし、
例えば、「来週の金曜日に渋谷で5歳の息子と誕生日パーティーがしたい」と入力すると、
ケーキやプレゼント、レストランなど、瞬時にオススメの商品やお店、サービスが表示される仕組み。
AIやオートメーションを導入することで、
最適化、効率化、楽しさ・安心、スマートな楽天市場を目指すことを示唆しました。
同日に行われた「2017年上期戦略共有会」では、
2016年に実施した取組みの成果と2017年上期の楽天市場の戦略が発表されました。
2016年の成果として、品質向上施策がさらなる成長に繋がったことを強調。
昨年対比にて、注文件数+17%、購入者数+10.9%、新規・復活購入者数+5.6%
との実績を掲げ、推し量ってきたSPUプログラムの結果も◎であったとし、
モバイルECの推進を継続と今後はスマホファーストであらゆる施策を検討していくとしました。
また、2017年上期戦略としては、以下の点について触れられました。
①プラットフォーム開発
■ナビゲーションの強化
(1)ユーザーインターフェースの強化
・ポイント表示(ヘッダー、サーチ結果、商品ページ)
・送料表示(サーチ結果)
(2)検索ロジックの強化
・入力データによる最適化(キーワード・ジャンル・製品など)
・ユーザー属性による最適化(パーソナライズセグメンテーション・年代性別など)
(3)商品情報の強化、カタログの強化(カタログデータの拡充、ジャンルの拡大、属性情報の充実化、カタログID連携)
・シンプルな商品名
・ユーザーフレンドリー(商品画像白背景など)
・ユーザー目線で運用(商品名には商品名、今後はPR情報はキャッチコピーへ記載)
・ガイドラインにのっとった対応をした店舗の商品を押し出す予定
上記(3)については注目すべきポイントで、検索ロジックに影響を及ぼす可能性が高い点であると考えます。
■決済手段の強化
(1)楽天ペイ(今年4月から順次開始)
・従来の課題(決済手段がバラバラ、決済関連業務に忙殺される)
・メリット:同じ種類の決済がどの店舗でも使える(店舗運用の効率化や不正注文リスク回避)
・入金サイクルの統一or短期化、決済業務負担軽減、不正注文対策強化
■配送の強化
(1)商品別配送方法設定
・商品ごとに配送方法の設定が可能(メール便、大型、等)
(2)送料テーブル標準化
・検索ページや商品ページで正しい送料の表示が可能に(自分の地域ではいついくらで届くのか?が明確に)
■プラットフォームの強化
(1)常に暗号化された通信に(https)
(大手サイトも順次対応中:Amazon、Google、Facebook,Yahoo!Japan)
→楽天gold内のURLをhttpからhttpsへ変更する作業は店舗側で行う必要有
こちらについては個別に店舗様側で実施する必要がある為、
弊社クライアント様へは個別に対応を行わせて頂く点と考えております。
②ジャンル強化
■ファッションジャンル施策
・ブランド強化(Fashion Squere)
・ソーシャルメディア(インスタグラム)
・画像検索(ファッション画像サーチ)
■ホームライフジャンル施策
・特集コンテンツ(春の新生活、梅雨特集、暑さ対策、冬のあったか特集)
・ジャンル検索(テイスト、色サイズ、素材)
→登録している商品はしていない商品の倍以上の売上の実績
■フードジャンル施策
・認定制度(楽天グルメセレクション=一次審査、二次審査、最終審査、認定商品決定)
・特集コンテンツ(お肉ランキング テーマジャンル毎に制作
・限定商品(店舗と共同開発)
■リテールジャンル施策
・価格比較機能(露出面の拡大、型番商品の探しやすさ向上)
・多様なユーザー思考に対応(環境省連携、不用品リサイクル、商品付帯保険)
■海外販売施策
・モバイル強化
・商品情報リアルタイム更新
・ナビゲーション強化(ランキング、サーチ)
・翻訳機能を強化しリリースまでの時間を短縮する
・海外に特化したランキングなどを企画
③店舗へのサポート強化
■ビッグデータの活用
(1)機能追加第一弾
・R-カルテにおける店舗チェックシートの強化
・過去評価、サブジャンルとの比較(自分の店舗と差分を見る)
(2)機能追加二弾(夏以降)
・評価点の可視化
■楽天ページ診断サービス
・商品ページABテスト向上率:43%
全店舗展開及び機能強化(診断レポートの週次更新、改善推奨ページの表示、ジャンル上位ページと差分確認、スマホ版も下期ローンチ予定)
■データを活用した広告展開の拡充
・楽天以外のサイトに広告を表示
・ダイナミック広告
・CPA楽天内コンテンツ
・クーポンアドバンス広告:+10%へ
■広告の効果開示を開始
・今後、効果開示の枠を拡大予定
■システムコンサルティング
・物流やシステム等、ECCへ相談できる仕組みへ
■店舗コミュニケーション強化
・相楽しんく
・RON会議:4月リリース
・NEWS機能(情報伝達の最適化)
・ご意見番機能(店舗さん間のQA型課題解決手法)
・コミュニティ機能(つながりの強化)
・R-Nations:店舗さんによる店舗運営指南コンサルティング、一部開始し、参加店舗平均流通+50%の実績。
2017年4月から本格開始。
・Areanations(全国16箇所で地域毎のコミュニティづくりへ):2月開始
三木谷社長、河野上級執行役員の他、各所の講和を拝聴する限りでは、
AIを初めとしたテクノロジーの進化と楽天が保有するビッグデータを出店者へ開放し、
新しいEC、新しい楽天市場を作っていこうとする姿勢が垣間見えます。
今後、効率的な店舗運営や楽しさや安心安全な市場が実現できていく可能性がある一方で、
プラットフォーム側の仕様変更に伴う対応にはリアルタイムで情報をキャッチアップし、
対応しなければならないという点や三木谷社長が話した通り、ユーザーの購買行動が大きく変わることで、
各店舗もそれに合わせた売り方、戦略、施策を考え続けなければ、
すぐに淘汰されてしまう業界かと考えており、
弊社のような運営代行・コンサルティング会社の価値とはまさにそこにあるのではないかと再認識した1日となりました。